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親友(とも)

親友(とも)

※本記事は2021年2月24日に予約投稿したものです

こんな私にも少ないながら友達と呼べる人がいた。

そのなかで唯一"親友"と呼べる男が1人いた。ここでは仮にA君としよう。

A君と私は保育園から一緒で、俗にいう"幼馴染"というやつだった。

猿みたいな顔をしていて愛想もなく、口も悪かったが、根は優しい奴だった。

アニメなら間違いなくツンデレキャラ。素直になれないだけなんです。

自分から手を出すようなことはしなかったけど、小学生の頃から空手を習っていて喧嘩もめちゃくちゃ強かった(たしか、小学生時代の帯の色は緑か茶色だった)

同級生や近所の人たちの間で「怖い」と有名な父と祖父にどれだけ怒声を浴びせられても動じないほど肝も据わっていた。

私は吃音症(きつおんしょう)で、小学生当時は症状が特に強く出ていた時期だった。周りから「おかしな奴」みたいな眼で見られることも少なくなかった。

でも、A君は私がいくらどもっても普通に接してくれた。いつも言い終わるまで待ってくれた。

よく一緒に遊んだし、学校が終わるとよく一緒に帰ったりもした。

中学生になって私がいじめが原因で不登校になり、そこからカウンセリングを重ねて別室登校になった後も、自転車に乗って毎朝自宅まで迎えに来てくれた。

休み時間にはよく遊びに来てくれたし、帰りも変わらず一緒に帰ってくれた。

中学を卒業して別々の高校に入学した後も、しばらくは家まで遊びに来てくれた。

私のことを本気で心配してくれる、ただ1人の親友――。

家族の者以外には嫌がって絶対に抱かせない先代犬・ナナもA君にだけは心を許し、懐いていた。

彼と過ごした時間が、私の青春だった。

もうA君とは20年近く会ってない。6年ほど前に中学の同窓会はあったが、その場にA君の姿はなかった。

向こうは私のことなんて忘れているかもしれないが、私は彼のことを忘れたことはない。今でもたまに彼が夢に出てくるのだ。

恐らく、心の奥底で私は彼に会いたいと思っているのだろう。

もし、死ぬ前に会える人を1人だけ選べるのであれば、私はA君に会いたい。

酒でも飲みながら、夜通し語り合いたい。「お互いオッサンになったな」なんて笑いながら言ったりしたい。

今どこで何をしているのかも分からないので、実際には難しいでしょうが……。

もう結婚とかしてるのかな。子どもなんかもいたりしてね。

まぁ元気で幸せになってくれてたら、それでいい。

改めて、A君にお礼を言いたい。

読んでないと思うけど、私なんかと親友でいてくれてありがとう。
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