吃音で接客業(対面販売)やってるけど質問ある?
吃音で接客業(対面販売)やってるけど質問ある?
皆さんは"ラヴソング"という月9をご存じだろうか?
吃音を抱える女性(藤原さくら)と、臨床心理士の男性(福山雅治)が主人公のドラマだ。
このドラマをきっかけに、吃音に今、再び注目が集まっている。
ということで、今回は僭越ながら私、赤鈴が吃音症(きつおんしょう)についてご説明させていただきたいと思います。
まず、"吃音"という言葉自体知らなかった、という方もいらっしゃるのではないだろうか。
しかし、"どもり"、もしくは、"どもる"という言葉なら知っているという方もいらっしゃるはずだ。
この"どもり"、"どもる"という言葉は、実は随分と前から"差別用語"としてマスメディアでは使用禁止用語とされています。
だから、ドラマ中では"どもり"、"どもる"という言葉は絶対に出てこないのです。
分かりやすくいうと、盲目の方に対して"めくら"と言ったり、難聴の方に対して"つんぼ"と言うのと同じことです。
なので、吃音の人に対して"どもり(どもる)"と言うのは大変失礼にあたるので気を付けましょう(私はあまり気にしたことありませんが、人によっては気にする人もいらっしゃるかも)
そして、吃音には全部で3タイプございます。
1つ目は"難発型"
これは最初の語句や、第一声が詰まってしまって出てこないタイプです(例:お・・・・・・はようございます)
とはいっても、吃音じゃない方には声を出せない、言葉が出てこない、という苦しみは分からないと思います。
強いて、この苦しみを分かりやすく例えるのなら―
人に首を思いっきり絞められて、声を出したくても出せない状態と同じ苦しみ。
といった感じです。
もう1つのタイプは、"連声型(連発型)"といわれるタイプです。
これは、語句の一部を繰り返してしまうタイプです(例:お、お、お、お、おはようございます)
この苦しみも強いて例えるのなら―
生まれて初めての面接で緊張して言葉が詰まってしまい、流暢に喋れない状態と同じ苦しみ。
そして、最後にご紹介するタイプは"伸発型"といわれるタイプです。
これは語句を引き伸ばすタイプです(例:おーーーはようございます)
このタイプに関しては、私の周りにはいらっしゃいませんし、私自身もこのタイプではないので、分かりやすい例えが思い浮かびませんなぁ。
というか、我ながらどの例えもいまひとつ(´・ω・`)
やっぱり、言葉としてこの苦しみを伝えるのは難しいなぁ・・・
吃音あるあるでいえば、よく「緊張してるの?」「落ち着いて喋って」「頭の中で自分の言いたいことを整理するといいよ」とか言われますが―
こちらとしては至って落ち着いていますし、緊張もしてません。それに、頭の中で自分が言いたいことも整理できてます。それでも言葉が出てこないのです。喋れないのです。それが吃音なんです。
ちなみに、吃音者はこれらの苦しみを日常的に、朝昼夜、仕事中、プライベート関係なく、ずっと味わっています。
私は難発型と連声型の複合型です。
吃音でもっとも多いタイプも、難発型と連声型でしょう。
とはいっても、「ただ単に上手く喋れないだけでしょ?」と、吃音を軽く考えている方も中にはいらっしゃるかもしれません。
しかし―
吃音を軽くみてはいけません。
吃音が原因で自殺をしたり、ひきこもりになってしまう方もいらっしゃいます(吃音者の自殺率は高い)
それくらい深刻な問題なのです。
吃音の原因は現代の医学をもってしても分かってない、といわれています。なので、決定的な治療法もございません。
吃音は発達障害とも、言語障害ともいわれています。一部の国で障害認定されていることも、また事実です。
日本でも吃音に対する社会保障があり、2005年より吃音が発達障害者支援法に含まれるようになりました。なので、精神障害者保健福祉手帳を希望すれば取得できます。
かくいう私も、調子の悪い時はドラマ"ラヴソング"の吃音の女の子並みに症状が酷い時もあります。
その女の子がドラマ中に脚を叩いているシーンがありますよね?
吃音を知らない方はあのシーンを見て「なんでこの子脚叩いてんの?」と思ったはずです。
あれは、"随伴運動"というもので、吃音者が言葉を出そうとする際にしてしまう、不自然な身体の動きのことをいいます(瞬き、体を叩く、手足を振る、足踏みする、目を擦るなど)
そうでもしないと言葉が出せず、喋れないのです。
この苦しみと、恥ずかしさ、辛さは味わった者にしか分かりません。
私が吃音の症状が一番酷かった小学生時分は、言葉を出そうと力むあまり、脚を上げてしまったり、脚を叩いたりしてました。
今ではだいぶ快復しましたが、それでも完全になくなったわけではありません。
そんな私は現在、接客業(対面販売)をしています。
接客業と、営業という職業は吃音者がもっとも避ける職業だといわれています。
なぜなら、人と話すことが仕事だからです。
明らかに向いてなく、苦しむことが目に見えているのに、わざわざそんな職業に就く者はいません。
しかし、私は敢えてそんな職業に就きました。
最初は私も「営業と接客業だけは絶対に嫌だ」と思ってました。
でも、スーパーで事務職をしていた時、人手不足で他の部門の応援へ駆り出されることがありました。その際に初めて接客を経験しました。
最初こそ緊張しましたが、お客様と話してるうちに会話をする楽しさを覚えました。
そして、吃音の症状が出ても、大抵のお客様は自分が思っているほど気にされていないことに気付いた私は、更に接客業という仕事に興味が湧きました。
そして、今も私は接客業を続けています。
たしかに辛いと思う時もあります。悔しい思いをすることもあります。死にたくなるほど自分に絶望する日もあります。
それでも、やっぱりお客様と、人と喋れると楽しいって感じるんです。
吃音だからといって喋ってはいけないということはありません。会話を楽しんではいけない、会話に入ってはいけないということは絶対にありません。
むしろ、吃音で言葉の重み、喋れることに対する有り難さを知っている人こそ、もっと会話を楽しむべきだと私は思います。
たとえ周りから笑われても、変な目で見られてもいい。
きっとあなたの声を聞いてくれる人はいるから。
あなたの声はきっと届いているから。
だから、自分を恥じることはない。必死に生きているあなたは素晴らしい。むしろ、誇りに思うべきだ。
そして、あなたには同じ吃音に苦しむ仲間がいる。我々がいる。そのことを忘れないでほしい。
あなたは1人じゃない。
明日も声を、想いを届けよう。声、高らかに。
PS.カラオケとかで歌ってる時だけ、なぜか吃音の症状が出ないのって不思議じゃね?
吃音を抱える女性(藤原さくら)と、臨床心理士の男性(福山雅治)が主人公のドラマだ。
このドラマをきっかけに、吃音に今、再び注目が集まっている。
ということで、今回は僭越ながら私、赤鈴が吃音症(きつおんしょう)についてご説明させていただきたいと思います。
まず、"吃音"という言葉自体知らなかった、という方もいらっしゃるのではないだろうか。
しかし、"どもり"、もしくは、"どもる"という言葉なら知っているという方もいらっしゃるはずだ。
この"どもり"、"どもる"という言葉は、実は随分と前から"差別用語"としてマスメディアでは使用禁止用語とされています。
だから、ドラマ中では"どもり"、"どもる"という言葉は絶対に出てこないのです。
分かりやすくいうと、盲目の方に対して"めくら"と言ったり、難聴の方に対して"つんぼ"と言うのと同じことです。
なので、吃音の人に対して"どもり(どもる)"と言うのは大変失礼にあたるので気を付けましょう(私はあまり気にしたことありませんが、人によっては気にする人もいらっしゃるかも)
そして、吃音には全部で3タイプございます。
1つ目は"難発型"
これは最初の語句や、第一声が詰まってしまって出てこないタイプです(例:お・・・・・・はようございます)
とはいっても、吃音じゃない方には声を出せない、言葉が出てこない、という苦しみは分からないと思います。
強いて、この苦しみを分かりやすく例えるのなら―
人に首を思いっきり絞められて、声を出したくても出せない状態と同じ苦しみ。
といった感じです。
もう1つのタイプは、"連声型(連発型)"といわれるタイプです。
これは、語句の一部を繰り返してしまうタイプです(例:お、お、お、お、おはようございます)
この苦しみも強いて例えるのなら―
生まれて初めての面接で緊張して言葉が詰まってしまい、流暢に喋れない状態と同じ苦しみ。
そして、最後にご紹介するタイプは"伸発型"といわれるタイプです。
これは語句を引き伸ばすタイプです(例:おーーーはようございます)
このタイプに関しては、私の周りにはいらっしゃいませんし、私自身もこのタイプではないので、分かりやすい例えが思い浮かびませんなぁ。
というか、我ながらどの例えもいまひとつ(´・ω・`)
やっぱり、言葉としてこの苦しみを伝えるのは難しいなぁ・・・
吃音あるあるでいえば、よく「緊張してるの?」「落ち着いて喋って」「頭の中で自分の言いたいことを整理するといいよ」とか言われますが―
こちらとしては至って落ち着いていますし、緊張もしてません。それに、頭の中で自分が言いたいことも整理できてます。それでも言葉が出てこないのです。喋れないのです。それが吃音なんです。
ちなみに、吃音者はこれらの苦しみを日常的に、朝昼夜、仕事中、プライベート関係なく、ずっと味わっています。
私は難発型と連声型の複合型です。
吃音でもっとも多いタイプも、難発型と連声型でしょう。
とはいっても、「ただ単に上手く喋れないだけでしょ?」と、吃音を軽く考えている方も中にはいらっしゃるかもしれません。
しかし―
吃音を軽くみてはいけません。
吃音が原因で自殺をしたり、ひきこもりになってしまう方もいらっしゃいます(吃音者の自殺率は高い)
それくらい深刻な問題なのです。
吃音の原因は現代の医学をもってしても分かってない、といわれています。なので、決定的な治療法もございません。
吃音は発達障害とも、言語障害ともいわれています。一部の国で障害認定されていることも、また事実です。
日本でも吃音に対する社会保障があり、2005年より吃音が発達障害者支援法に含まれるようになりました。なので、精神障害者保健福祉手帳を希望すれば取得できます。
かくいう私も、調子の悪い時はドラマ"ラヴソング"の吃音の女の子並みに症状が酷い時もあります。
その女の子がドラマ中に脚を叩いているシーンがありますよね?
吃音を知らない方はあのシーンを見て「なんでこの子脚叩いてんの?」と思ったはずです。
あれは、"随伴運動"というもので、吃音者が言葉を出そうとする際にしてしまう、不自然な身体の動きのことをいいます(瞬き、体を叩く、手足を振る、足踏みする、目を擦るなど)
そうでもしないと言葉が出せず、喋れないのです。
この苦しみと、恥ずかしさ、辛さは味わった者にしか分かりません。
私が吃音の症状が一番酷かった小学生時分は、言葉を出そうと力むあまり、脚を上げてしまったり、脚を叩いたりしてました。
今ではだいぶ快復しましたが、それでも完全になくなったわけではありません。
そんな私は現在、接客業(対面販売)をしています。
接客業と、営業という職業は吃音者がもっとも避ける職業だといわれています。
なぜなら、人と話すことが仕事だからです。
明らかに向いてなく、苦しむことが目に見えているのに、わざわざそんな職業に就く者はいません。
しかし、私は敢えてそんな職業に就きました。
最初は私も「営業と接客業だけは絶対に嫌だ」と思ってました。
でも、スーパーで事務職をしていた時、人手不足で他の部門の応援へ駆り出されることがありました。その際に初めて接客を経験しました。
最初こそ緊張しましたが、お客様と話してるうちに会話をする楽しさを覚えました。
そして、吃音の症状が出ても、大抵のお客様は自分が思っているほど気にされていないことに気付いた私は、更に接客業という仕事に興味が湧きました。
そして、今も私は接客業を続けています。
たしかに辛いと思う時もあります。悔しい思いをすることもあります。死にたくなるほど自分に絶望する日もあります。
それでも、やっぱりお客様と、人と喋れると楽しいって感じるんです。
吃音だからといって喋ってはいけないということはありません。会話を楽しんではいけない、会話に入ってはいけないということは絶対にありません。
むしろ、吃音で言葉の重み、喋れることに対する有り難さを知っている人こそ、もっと会話を楽しむべきだと私は思います。
たとえ周りから笑われても、変な目で見られてもいい。
きっとあなたの声を聞いてくれる人はいるから。
あなたの声はきっと届いているから。
だから、自分を恥じることはない。必死に生きているあなたは素晴らしい。むしろ、誇りに思うべきだ。
そして、あなたには同じ吃音に苦しむ仲間がいる。我々がいる。そのことを忘れないでほしい。
あなたは1人じゃない。
明日も声を、想いを届けよう。声、高らかに。
PS.カラオケとかで歌ってる時だけ、なぜか吃音の症状が出ないのって不思議じゃね?
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- テーマ:[病気と付き合いながらの生活]
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お久しぶりです。
私も、バイトで接客してます
時々噛みますが
お客さんもそんなに気にしないみたいで!
今でも、今後も続けます!
この前は、FMふじの番組生放送中に
DJ木河純さんが
スタジオの外まで出てきて
私が、リスナーさんの
メッセージを読みました!
あの時は、緊張したな~。
私も、バイトで接客してます
時々噛みますが
お客さんもそんなに気にしないみたいで!
今でも、今後も続けます!
この前は、FMふじの番組生放送中に
DJ木河純さんが
スタジオの外まで出てきて
私が、リスナーさんの
メッセージを読みました!
あの時は、緊張したな~。
- #1357 小判鮫のコバンちゃん
- URL
- 2016.05/25 01:25
- ▲EntryTop
こんばんは☆
赤鈴さん、お久しぶりです!
私は「ラヴソング」最初見ていたんですけど、なんだか途中で見られなくなってしまったんです…。
今は学生時代よりは改善したけれど、一番悩んでいた時のことが思い出されてしまって…。
たまらなくなりました。
私は一時期に塾の受付で働いたことがありますが、確かに吃音には悩みましたが、人と接することはそれほど嫌じゃなく、むしろ楽しいと感じることが多かったです。
不思議ですよね…。
やっぱり、心が吃音を良くも悪くもするんだなぁと思います。
受け止め方、ですよね。
長くなりましたが、ワタクシ論を述べさせていただきました(*^^)v
また遊びに来ますね!!
私は「ラヴソング」最初見ていたんですけど、なんだか途中で見られなくなってしまったんです…。
今は学生時代よりは改善したけれど、一番悩んでいた時のことが思い出されてしまって…。
たまらなくなりました。
私は一時期に塾の受付で働いたことがありますが、確かに吃音には悩みましたが、人と接することはそれほど嫌じゃなく、むしろ楽しいと感じることが多かったです。
不思議ですよね…。
やっぱり、心が吃音を良くも悪くもするんだなぁと思います。
受け止め方、ですよね。
長くなりましたが、ワタクシ論を述べさせていただきました(*^^)v
また遊びに来ますね!!
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僕も吃音持ちです
携帯の機種変更の時は、メモ帳に打ち込んでそれを店員さんに見せて機種変更をした感じでした。